釣りと陸上養殖とSDG’s
このタイトルは何なの?と思われたかもしれません。
50代からの趣味にレンタルボートの釣りはいかが?でもご紹介したとおり、私は釣りが好きです。
アニサキス食中毒は怖い
その理由の一つに、新鮮で美味しい魚を食べられるから!というのがあります。しかし、新鮮な魚とはいえ、アニサキスなどの寄生虫からは無縁でいられません。
私は幸いにもアニサキスで食中毒になったことないのですが、まあ、それは大変な激痛のようで、除去するためには胃カメラが必要になり、胃カメラのしんどさも追加されるわけです。地獄ですね…。
アニサキスについてご存じない方は、厚生労働省のHPから、アニサキスによる食中毒を予防しましょうをどうぞ。【虫が苦手な方は閲覧注意です】
ニュースでもたまに報道されますが、どこそこのスーパーで買った魚にアニサキスが発見されたという話を聞かれたことないですか?
結果、そのお店は何日間かの営業停止になるわけですが、釣り人としては、そのお店が気の毒でなりません。
アニサキスの痛みで苦しんでいる被害者の方には大変申し訳ないのですが、海の魚を生で食べる以上、どんなに魚が新鮮でも、そのリスクはゼロにはできないからなんです。
釣った魚なら大丈夫?
私自身、釣ったばかりの魚の下処理(血抜き、内臓とり)を現場で行う時、なんどもアニサキスにはお目にかかっています。
つまり、鮮度とは関係なくアニサキスはいます。魚が死んでから時間がたつと、アニサキスが寄生していることの多い内臓から筋肉に移動していくと言われていますが…。
青魚のほか、イカ類にもアニサキスは多く寄生していますから、我が家では釣ったアオリイカを刺身にする時は、切身を一枚一枚、光に向けて透かして、アニサキスがいないことを確認しながら食べるようにしています。
しっかりと冷凍した場合や、焼いて食べる分には、アニサキスは死んで何も問題もないのですけれども…。
養殖魚なら大丈夫?
アニサキスは食物連鎖の中で移動しますから、食べるものがほとんど決まっている養殖の魚であっても、海の中にいる限り、100%アニサキスフリーとはなりません。
少なくとも、食物連鎖の中で生きる天然の魚よりは、確率論としては低いのだろうと思います。
そこで今、注目されているのが、魚の陸上養殖です。そう、海から切り離された陸上での養殖、です。
いつの間にか、技術の進歩により、今は海から遠く離れた山の中の閉鎖空間でも、様々な魚種が養殖できるようになってきています。
具体的にはフグのほか、サバ、ヒラメ、ハタ、カワハギやエビなどが、現在進行形で陸上養殖されています。
この技術により、理論上は、魚にとってアニサキスフリーの環境になるわけです。
陸上養殖ならアニサキスフリー!
閉鎖空間での養殖となると、ストレスが色々あって病気になりやすかったり、そのために抗生物質などの薬品が、たくさん使われているのではないかとの疑問を私は持っていました。
しかし、最初のセットアップの段階でクリーンな環境を用意できれば、海とは物理的に切り離されているので、病原体の入ってくる可能性がなくなり、抗生物質を使う必要性自体がなくなるようです。
また、一つの水槽でストレスなく養殖できる管理の技術も進んでいるようです。
実は、この陸上養殖の技術ですが、一般的に我々がよく知っている海面養殖の問題を背景に、進化してきている側面があるのです。
海の豊かさを守ろう(SDG’s)
海面養殖では一定の範囲を網などで区切って、その中で魚を養殖をするわけですが、穏やかな湾などに設置されることもあって、食べ残しのエサや排せつ物が堆積し、相当に環境負荷となっている現状があります。
病気などの対策で、最低限の薬品を投入する必要もありますから、海への負担が大きくなるだけでなく、人間にとっての健康リスクも気になるところです。
台風や赤潮などの外部影響で、海域全体の養殖魚が全滅するような事業上のリスクもあります。
そういったこともあって、技術的な課題はまだ多少残っているものの、最近は大手企業も続々と陸上養殖の業界に参加している状況です。SDG’sという多くの企業の持続可能な目標とも合致しますしね。
イチ釣り人としては、海の環境汚染を抑える技術は頼もしいですし、魚影の濃さが戻って、子供世代でも釣れる釣りが楽しめること、アニサキスフリーの魚を生食できるSDG’sな未来に期待しています!