高校生とアルバイトと一人旅
みなさんが高校生の時、またはお子さんが高校生の時に、アルバイトや一人旅をされましたでしょうか?
ウチに高校生の息子がいますが、高校1年生の夏からアルバイトをはじめ、春休みに仙台へ一人旅に行ってきました。
ふだんの生活態度などは全然ダメダメな息子ですが、巣立ちが近いことを感じさせるイベントが続き、少し寂しくもありますが、父親としてはうれしい気持ちのほうが強かったですね~
中学生と高校生の違い?
中学を卒業すると、約99%の人が高校へ進学するという現状からは、高校は実質的に義務教育みたいなもので、行くのがアタリマエの感覚になっているのかもしれません。
高校授業料無償化の制度もありますしね。
しかし、ウチは父親が毒親ですから(笑)、授業料だけは払いますが、息子には常に「勉強が嫌ならいつでも高校辞めて良いし、その場合は直ちに家を出て働くこと」と言っています。
中学までは義務教育ということで、お尻を叩いて勉強させたことも確かにありましたが、高校生になったら勉強しろとは一切言わないと約束してまして、実際にそうしています。
自分自身、高校や大学受験に向けての勉強が、強制されてできるようなものではないと考えていることも理由です。
ですから、高校に毎日行って、落第もせず、他人に迷惑をかけなければ概ねOKとしています。
このあたりが、勉強熱心な家庭に育っていた妻とは感覚が違うらしく、夫婦で割とよくモメルところです(笑)
しかし、結婚当初は、子供のことで夫婦が言い争うことなど考えたこともなかったですが(笑)
はじめてのアルバイト
このため、息子がアルバイトをしたいと言ってきた時、私は「ドーゾドーゾ。で、小遣いはいくら減らすの?」となるのですが、高校でアルバイトをした経験のない妻は心配になるわけです。
アルコールを出す店で高校生が働くのは良くないとかなんとか…。
確かに最近では、SNSでの闇バイトもありますし、そんなのに引っかかると致命傷になりかねませんので、その危険性は分かりますが、息子は近所の飲食店でバイトしたいと言ってるわけで…。
最終的には、「何事も経験」ということで私が妻を説得し、妻もシブシブ受け入れることになりました…。
ウチの息子に関して言えば、某回転すしのオープニングスタッフとして採用されるまで、近所の飲食店に3か所ほど応募し、お断りされるという貴重な経験をしています。
いや~親としてはホントありがたいですね!
勤務条件が合わないなどの理由があるにせよ、社会が息子が考えるほど甘くはないことを実感させてもらえるのですから!
本人も、「何がアカンかったんやろ~」と、多少はヘコんでいましたしね。
なんとか採用してもらった某回転すしですが、「ブラックな職場や!」とか「希望しないシフトを押し付けられる!」とか文句を言って約1か月で辞め、今は近くの老舗レストランでアルバイトをしています。
辞めた当初は、「そんなことで辞めるとは甘いヤツやな~」と思っていましたが、今の老舗レストランには不満もなく、現場でかわいがってもらっているようで、そこはひとまず安心しました。
はじめての一人旅?
アルバイトを初めて3か月くらいたった頃、息子から、「一人で仙台に行きたいんやけど…」と話がありました。
私は「ドーゾドーゾ!でもなんで仙台?」となる一方で、慎重な妻は「行先の問題ではなく、高校生の一人旅なんてアブナイ!」となるわけです。
私自身は高校の頃、連泊でサイクリング旅行をしたり、遊びに出かけて終電がなくなり、近くの友達の家に転がり込んだこと何度もあって、男の子はそんなもんだと思っていました。
しかし、今回は仙台ということでしたので、何かあった時に親がすぐに動ける範囲ではありません。
なので、私も「ある経験」をしていなければ、多少は心配したかもしれませんし、妻も最終的に一人旅を受け入れた過去の出来事がありました。
はじめての一人旅ではなかった…
「ある経験」とは、中学2年生の時の息子の「家出」です(笑)
今でこそ、笑いながら話すことができますが、当然のことながら、その時はさすがに焦りました…。
キッカケは、私が息子に対して「言うこと聞けんのやったらウチから出ていけ!」と言ったことです。
このフレーズ、思い当たる方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
実は小学生の時にも、同じフレーズで叱られた彼は家出したことあるのですが、その当時は行動範囲も狭く、近所ですぐに見つかりました。
前回とは年代も違うのに、完全に油断して、甘く見ていました…。
「そんなに遠くへは行かんやろ~」「晩御飯もあるし21時くらいには戻ってくるやろ~」と。
しかし、彼は夕方に家を出たきり、深夜0時になっても戻ってきません。
いくら近所を探し回っても見つからないため、妻は気が動転していますし、キッカケを作った私自身、「これはマズイことになった…」と頭を抱えていました。
友達の家に電話をかけるのも時間的に申し訳ないですし、警察へ届けるのもサスガにちょっと早い気もして…。
妻の実家で保護
結局、朝になっても家に戻ってくることはなく、そろそろ友達の家に電話をかけようかと妻と話をしていた頃に、妻の実家から、息子が来ているとの電話がかかってきました。
いや~心からホッとしましたが、全くの想定外の行動でした。
自宅から妻の実家までは、いつも車で行っており、電車を利用すると2回の乗換が必要で、2時間くらいの行程なんです。
それまで、一緒に電車で行ったこともなく、最寄駅から実家まで歩いたこともなく、マサカの一人旅をしていたわけです。
しかも、家出からしばらくの時間はタップリと近所で遊びまわり、実家の最寄り駅には夜遅くに到着したため、道が分からなかったようで、駅のベンチで一晩を明かしたと言うではないですか…。
息子の行動力には(無駄に)驚かされるとともに、「コイツはどこでも生きていける…」と感じた出来事でもありました。
ボーイスカウトでの質素な野外活動経験も、この時、無駄に役立ったかもしれません(笑)
知らせを聞いて、すぐに妻の実家へ息子を迎えに行ったわけですが、それ以降、我が家では「ウチから出ていけ!」は禁句となりました(笑)
息子の旅行計画
そういう経験があったので、仙台旅行についても「まあ、道に迷って死ぬことはないやろう」と思って送り出すことにしたわけです。
旅行の段取りについても、何事も経験ですし、失敗こそが良い経験になるものと私は考えていますので、何も協力しませんでした。
なので、息子は自分で宿を取り、飛行機を予約して、カードはないので現金で振り込みをしてというステップを自分でこなしていました。
親が放っておいても、自分がやりたいこと、好きなことは勝手にやるわけです(笑)
出発の前には、子供の義務として行程表を出させたところ、「牛タン」をはじめとした味処の行程が多く、正直、一緒に行きたくなりました(笑)
また、「バイト先にお土産買ってきたほうが良いかな~?」と聞いてきまして、今のバイト先が気に入っていること、多少の社会性も身についてきたことも嬉しく感じましたね。
「バイト先の前に、お世話になっている親にお土産買ってこい!」とも言いましたけど(笑)
持っていくお金は最低限という感じでしたが、足りなくなったら、現地で日雇いのバイトでもするやろ~と思って、これも放っておきました。
妻によると、本人名義のキャッシュカードは持たせているので、いつでも送金はできるという保険は掛けてあったようです(笑)
無事に帰ってきました!
彼の経験のためには、色々と失敗したほうが良いのにな~と考えていましたが、特に大きなトラブルもなく、3泊4日の行程をこなして無事に帰ってきました。
飛行機の手荷物検査などで手間取って、出発に間に合わなくなったりしても面白いかも~と思っていましたが、そんなハプニングも起こらず…。
ただ、味処での食べ歩きをほとんどしておらず、食事はコンビニや回転寿司で済ませていたと聞いて、「何しに行ったんや?」と思わずアキレてしまいましたが…
今回の失敗や反省を踏まえて、次回が充実した旅になれば、良い経験をしたと言えるのではないでしょうか(笑)
しかし、アルバイトや一人旅もそうですが、ドンドンと成長する息子は父親としては頼もしいのですが、母親としては必ずしもそう思っておらず、寂しい気持ちもあるようです。
逆に、娘がドンドンと成長するにつれて、父親は寂しくなるのかもしれませんね!