キレイな値引き交渉はどうでしょう?

2022年6月24日

みなさんはこれまでに、値引き交渉をしたことはありますか?

ビジネス上の取引ではなくて、日常生活でのお話です。

値引き交渉はコミュニケーション?

私はこれまで、家電製品や自動車はもちろん、家賃、住宅購入、仲介料、新聞、結婚式、引越、旅行、宴会など、様々な場面で値引き交渉をしてきました。

ケーキ入刀するカップル

値引き交渉自体があまり一般的でない年代や地域性もありますし、ネット上での買い物が増えて、今は、交渉の場自体が少なくなっているかもしれませんね。

私は値引き交渉を、安くなる可能性以外に、なんというか、究極のコミュニケーションの一つではないかと思っています。

50代オッチャンの考える「飲みニケーション」でお分かりのとおり、昭和時代のコミュニケーションであることは認めます(笑)

何しろ、ほとんどの場合、初めて会った人に、「これナンボになります?」とか、言い方は別として(笑)、売買の核心をダイレクトに突いていくわけですから。

交渉は真剣勝負

しかも、相手は高く売りたいはずで、安く買いたいこちらとは、初めからお互いの利益は相反しているわけで、落としどころを探す真剣勝負みたいなものです。

真剣勝負

相手方に、多少安くしてでも売りたいという気持ちが全くなければ、交渉開始⇒即終了…となることもあるわけですが(笑)

同じ商品なら少しでも安く買いたい…というのは、みなさんそうだと思いますし、私自身、「コスパ」が大好きなので、値引きが可能な雰囲気を察知すると、直ちに交渉モードに入ってしまいます(笑)

ただ私にとって、値引き交渉は「究極のコミュニケーション」ですから、相手を怒らせたり、商品を買えなくなったりすることは本末転倒ですので、最低限、気を付けていることがあります。

値引きの余地がある商品であること

税金や社会保険料など、そもそも値引きの余地がないものであったり、価格の設定段階では裁量があっても、個別に対応すると混乱する場合も値引きの余地がないですよね。

家電商品

後者でいえば、例えば資格や入学の受験料・授業料、各種保険料、電気ガス水道などの公共料金、日々の食料や生活雑貨を販売するスーパーなどが相当するものと思います。

逆に、家電や車など、単価が高めで購入頻度が低く、いくつかの店舗を回って比較検討するような商品であれば、売る側の差別化も必要なため、値引き交渉の余地が出てくることになります。

ちなみに税金の場合で、例えば、固定資産税の評価額そのものに疑問がある場合は、事実認定の部分で協議の余地あると思いますが、「もうちょっと安くして~」という話ではないので今回は除外します(笑)

ある程度の金額であること

これは感覚論になるのですが、値引き交渉を受ける相手がいるわけですから、相手方にとっても値引きのメリットがないと始まりません。

お金を持っている女の人

仮に価格が100円で仕入原価50円の商品を、差額の範囲で値引きの裁量があったとしても、対応が面倒ですので、私なら「すみません~値引きはしてないんです~」とさわやかに断りますね。

仮に10円の値引きをしたとして、それが口コミで伝わると、今後の面倒な対応が増えることにもなりかねないですし。

昔の駄菓子屋さんなんかで、「これオマケやで~」とかはありましたけどね(笑)

逆に価格が100万円で仕入れ原価が50万円の商品を、10万円の値引きで商談がまとまるなら、他のお客さんへの影響も考える必要ありますが、検討する余地は十分にあります。

自分が担当なら売り上げ目標もあるでしょうし、ギリギリまで勝負したいと思うでしょうね。

交渉にはリスクもあります

「言うだけならタダ」という考え方もありますが、値引き交渉の結果、本当に最悪の場合ですが、お店側がこのお客さんには商品を売らないということもありえます。

怒っている店員

その商品が、例えば一点もの商品や限定品などの場合、売る側がヘソを曲げてしまうと、あなたに売らないという選択肢も取れるわけです。

特殊な場合を除いて、お店側に商品を売る義務はありませんので、そのお店でしかその商品を扱っていないとなると、あなたは「詰んで」しまうわけです。

ですので、他のお店で売っていない商品について値引き交渉を行う場合は、最悪のケースも想定して、より一層丁寧に交渉をしていく必要があるのです。

逆に、一般的な家電商品の場合はこんなことはありませんので、気軽に交渉の練習ができますね!

目標価格を決める

何を持って値引き交渉を成功とするか、まずは目標価格を決めないと始まりません。

お金を払う人

もちろん、安ければ安く…というのは本音としては分かりますが、これでは交渉が長引きますし、そもそも相手方が本気で値引きを検討してくれません。

何しろ、相手は値引きをしたくはないですし、いきなり手の内をさらしたりしません。

もちろん、タイミングや相手方の状況によっては、とんでもない値引きを最初から提示されるかもしれませんが、毎回、限界価格を追いかけていると疲れますし、時間もムダにかかります。

目標価格は好きなように決めれば良いのですが、私は最高ラインと最低ラインの2つの目標を持つようにしています。

もちろん、相手方へ伝えるのは最高ラインの値引き額です。

たいていの場合、「さすがにそれは絶対に無理ですね~」などの会話が始まりますから、「じゃあどれくらいならいけるの?」という会話になって、そこから交渉がスタートします。

驚いた店員

ちなみに、家電の場合、お店の人とやりとりすることが申し訳なく感じる方もあるかと思いますが、家電販売の経験ある友人に聞いたところ、「価格交渉自体はウェルカム!」とのことでした。

シツコイのや無理強いはNGですが、お店や時間によってはヒマな時もあり、条件次第で決める気があるなら全く問題ないし、是非そうして欲しいとのことでした。

サンプル数は1ですが、ご参考まで(笑)

比較根拠を決める

ただし、目標価格があまりにも常識のラインを大きく外れると、直ちにお客さん扱いされなくなりますので、なんらかの根拠があったほうが良いものと思います。

二つのボールを持った人

交渉を受ける逆の立場になって考えると、めちゃくちゃな値引きを希望されると、「白ける」と思いませんか?

「安ければ安いほど…」と言われるのも同様ですよね。

そうならないためには、なんらかの根拠があったほうが良く、家電の場合でしたらアマゾンが分かりやすいのではないでしょうか。

もちろん、アマゾンの価格に対抗してこない販売店も多いかと思いますし、「そちらで買ってください」とすぐに白旗を上げられる場合も多いかもしれません。

白旗を上げる人

しかし、付帯工事やリサイクルが必要な商品であったり、ポイント、延長保証、下取りキャンペーンなど色々な事情で店舗で買いたい場合もあると思います。

そんな場合、私はこう言います。

「アマゾンの価格は無理だってのは分かってるんです。多少の値段の違いなら、今日買って帰りたいんです」

あとは、お店の人次第ですね(笑)

比較根拠を出しにくければ「予算は○○円なので手が届かないんです~」などと探りを入れることもありますが、グレード違いの商品があれば、安いグレードを勧められることになるのが難ですね。

比較しにくい商品の場合

既に住んでいる家の家賃であったり、具体的に購入したい住宅があったり、同じ商品との比較がしにくい場合もありますが、その場合でも、相場というのは見つけられると思います。

戦略を練る女の人

私が住宅の購入をした時は、近くの同規模の住宅価格や、過去の取引実績などを徹底的に調べ、住宅診断の費用もかけた上で、予算の制約を理由に指値(=具体的な金額を提示)をしました。

当初の価格から1割以上も下げた指値でしたので、売主からすると決して気持ちの良いことではなかったと思います。

しかし、それと同時に、感覚的な指値ではなく、費用もかけて根拠を示した指値でしたので、少なくとも、「冷やかしの客」ではないことだけは、ハッキリと伝わったと思います。

結果ですが、売主から、私の指値より少しだけ上乗せした金額の提示があり、私がそれを承諾して交渉成立となりました。

三方一両損

上乗せされた分は、不動産会社への仲介料を割り引いてもらうことで、「三方一両損」というキレイな形で決着することができました。

ここまで話がまとまっているのに、ここで売買が成立しないと不動産会社は何も得るものがないですから、私も気持ちよく不動産会社に値引きをお願いできました(笑)

買い物する親子連れ

他に変わったところでは、結婚式の時も値引き交渉をしました。

妻は当時、びっくりしていましたが(笑)

相場観をつかみにくい結婚式でしたので、人気のない日取り(仏滅など)の見積もりで最低ラインを把握して、別の日取りにぶつける作戦を取りました。

この場合も、このホテルが気に入っていることと、予算だけが厳しいということを担当者に伝えた上で、こちら側の味方になってもらうよう、関係性には特に気をつけました。

チャペル

「仏滅パック」の特別価格であっても、ホテル側にマイナスは絶対にないハズなので、替わりのお客さんが確実に見込める状況でない限り、受け入れられる可能性は高いと思っていました。

他にも、引越しや旅行などでの端数切捨て、宴会での飲み放題時間の無料延長など、ダメモトで聞いてみて、スンナリ話が通ることも多かったです。

相手の立場を尊重

以上のとおり、様々な場面で値引き交渉をしてきたのですが、決して「ナンボになんの?」と上から目線でも、「そこを何とか~」と下から目線でもなく、対等の関係を意識してきました。

頭を下げる男の子

つまり、こちらがお客さんなんだから…という立場ではなく、相手の立場も尊重して、「条件が折り合ったらすぐに買いますよ」というスタンスで臨んできました。

また、「時は金なり」ですから、相手の時間も考慮して、極力、短時間での交渉を心がけ、折り合いがつかずに買い物に至らなかったことも何度もあります。

別のシーンの話になりますが、仕事でクレーム対応をしたこともありまして、一番困るのが、お客さんが何を求めているのか分からない時でした。

謝罪なのか、代金返還なのか、修理なのか、損害賠償なのか、お客さん自身でも何を求めているのか分からないケースもありました。

このような場合は、まずは事実を確認し、相手方の要望をまとめることが、早期解決のために重要な作業になります。

分かりやすいお客さん

そういう意味で、話が多少長くなることはあっても、自分自身は分かりやすいお客さんだったのではないかと思っています。

買い物をする親子連れ

先ほど出た、家電販売の経験ある友人も、「短時間の値引き交渉は100%ウェルカム」と言い切っています。

サンプル数1ではありますが(笑)

売り場で商品を取ってレジ直行でも良いとは思いますが、商品説明を含めた値引き交渉を行うことで、私もお店の人も、買い物の納得感や満足感が上がる気がするのは気のせいでしょうか?

自分もお店も、お互いが満足できる、キレイな値引き交渉はどうでしょう!

家庭と仕事

Posted by おとぴん